コロナ禍の女性

政府は4/28に「コロナ下の⼥性への影響と課題に関する研究会報告書〜誰⼀⼈取り残さないポストコロナの社会へ~」を公表しました。新型コロナ感染症拡大の中、女性の自殺者増、DV、性暴力の増加・深刻化、雇用や収入が失われ生活困窮に陥るシングルマザー等、女性のおかれた悲惨な事態を受けて、政府は、女性に特化した支援策を検討してきました。

コロナ下の女性への・・・緊急提言(2020年11月)

昨年には、「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」緊急提言(令和2年11月19日(木)) [PDF形式:150KB] 別ウインドウで開きますも公表しています。

〇 DV、性暴力、自殺等の相談体制と対策を早急に強化、感染拡大期においても可能な限り必要な機能を果たす
〇 休校・休園の判断において、女性・子供への影響に最大限配慮する
〇 いわゆるエッセンシャルワーカーの処遇改善等を十分考慮する
〇 感染症に伴う差別的な扱いの解消に向けた取組を進めること
〇 ひとり親家庭への支援を強化すること
〇 テレワークについて、課題を踏まえた上で、普及、充実を進め、柔軟な働き方を進めていく
〇 デジタル、福祉分野など成長分野等へのシフトに向けた人材育成、就労支援を進めていく
〇 行政の業務統計を含む統計情報の積極的活用を促し、迅速な実態把握とその分析を進める

・・・とあまりに抽象的な提案にビックリ。「強化」「配慮」「考慮」「進める」・・・本気でやる気あります?と問いたくなりますが、それは提言を出した内閣府が、とりまとめ機能しかないので、個別具体策は担当省が検討、実施するはず。この提言では、大枠、方向性だけを出して、検討、実施は厚労省などが行うということだと思います。

コロナ下の女性への・・・報告書(2021年4月)

次に4/28に公表された報告書を読んでみます。post_honbun.pdf (gender.go.jp)

副題に誰一人取り残さない社会⇒⇒⇒取り残されている女性たちが多数いるという現実。      ポストコロナ社会⇒⇒⇒今すぐの提案は含まれていません。

post_gaiyo.pdf (gender.go.jp)まだコロナは収束していませんが、ポストコロナに向けた提言です。一瞬見た時、ジェンダー統計の整理、制度の見直しなど、ずいぶん間延びした内容だなと思いました。が、ポストコロナでは😢 そして、内容的には年末に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画に含まれている提案とかぶります。

迅速な具体策

一連の提言や報告書を通して、コロナ禍の女性の実態が、(P50~【図表】コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会報告書)統計上明らかにされたことは前進だと思います。ただ、実態に比して、その打開策がぼんやりしているというのか、無力感があるというのか。読んでいて、きっと改善される!という気持ちになれないのは、私が悲観的だからでしょうか。提案は出尽くした。要は、どう実行するかという、実現までのプロセスのほうなのだと思います。今後、厚労省などがどれだけ迅速に具体策を打ち出し、実施していくか、政府としての本気度が問われます。

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