ヤングケアラー

  • ヤングケアラーとは「一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています」。政府は「ヤングケアラー」の初の全国実態調査を、昨年12月から今年にかけて行い、中学生のおよそ17人に1人、高校生は24人に1人に上ることが分かりました。PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)           

厚生労働省のHPに、ヤングケアラーの具体例があがっています。https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html                                            ・障害や病気のある家族に代わり家事をしている                                                                    ・家族に代わり幼い兄弟の世話をしている                                                                       ・障害や病気のある家族の世話をしている                                                                         ・目を離せない家族の見守りや声かけをしている                                                                      ・日本語が不自由な家族の通訳をしている                                                                              ・家族ためにバイトをしている                                                                          ・依存症を抱える家族を支えている                                                                           ・病気の家族の看病をしている                                                                            ・障害や病気のある家族の世話をしている                                                                         ・障害や病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている 

「ヤングケアラー」という言葉がでてきたことで、その存在が社会的に知られ、政府、自治体も、ヤングケアラーの学びが確保されるように対策を進め始めています。ただ、家庭内のことですから、外からは見えにくく、助けを求めることなく一人で耐えているお子さんがいるのが実態だと思われます。                                             

ヤングケアラーの一番の問題点は、学業に影響が出ることです。学ぶ時間が確保できず進路、進学を断念する。部活動や友達との付き合いといった子どもとして過ごす時間が制約されてしまう印象があります。実態調査では、「やりたくてもできないこと」を複数回答で尋ねたところ、中学生では「特にない」という回答が58%でした。「特にない」という回答自体が、ずいぶんと冷めた回答にも感じられます。
▽「自分の時間が取れない」20.1%、
▽「宿題や勉強の時間が取れない」16%、
▽「睡眠が十分に取れない」と「友人と遊べない」8.5%、
▽「進路の変更を考えざるをえないか、進路を変更した」4.1%、
▽「学校に行きたくても行けない」1.6%でした。

政府としても家庭内の問題として放置するのではなく、「ヤングケアラー」をまずは把握、相談支援につなげることと考えています。https://www.mhlw.go.jp/stf/young-carer.html          厚生労働省HP「ヤングケアラーについて」                                                                       1 早期発見・把握
○ 福祉・介護・医療・教育等関係機関、専門職やボランティア等へのヤングケアラーに関する研修・学ぶ機会の推進。
○ 地方自治体における現状把握の推進。
2 支援策の推進
○ 悩み相談支援
・支援者団体によるピアサポート等の悩み相談を行う地方自治体の事業の支援を検討(SNS等オンライン相談も有効)。
○ 関係機関連携支援
・ 多機関連携によるヤングケアラー支援の在り方についてモデル事業・マニュアル作成を実施(就労支援を含む)。
・ 福祉サービスへのつなぎなどを行う専門職や窓口機能の効果的な活用を含めヤングケアラーの支援体制の在り方を検討。
○ 教育現場への支援
・スクールソーシャルワーカー等の配置支援。民間を活用した学習支援事業と学校との情報交換や連携の促進。
○ 適切な福祉サービス等の運用の検討
・家族介護において、子どもを「介護力」とすることなく、居宅サービス等の利用について配意するなどヤングケアラーがケアする場合のその家族に対するアセスメントの留意点等について地方自治体等へ周知。
○ 幼いきょうだいをケアするヤングケアラー支援
・幼いきょうだいをケアするヤングケアラーがいる家庭に対する支援の在り方を検討。
3 社会的認知度の向上
・2022年度から2024年度までの3年間をヤングケアラー認知度向上の「集中取組期間」とし、広報媒体の作成、全国フォーラム等の広報啓発イベントの開催等を通じて、社会全体の認知度を調査するとともに、当面は中高生の認知度5割を目指す。

厚生労働省と文部科学省は、来年度本予算の概算要求にヤングケアラーの支援の事業費をもりこみました。ヤングケアラー支援に予算要求 厚労、文科両省が14日に会合 | 毎日新聞 (mainichi.jp) 

当事者の声を形にしようと、政策提言を目指す動きもあるようです。 ヤングケアラー当事者の声を形に プロジェクト開始 政策提言目指す | 毎日新聞 (mainichi.jp)

調査では、相談したことがない子ども達が6割を超えていました。家庭のことでも、一人で抱え込まずに相談支援につながるようにと願います。                                             相談窓口
日本精神保健福祉士協会「子どもと家族の相談窓口」(外部リンク) 子どもに、家族にどう向き合ったらいいんだろう・・・。自分の気持ちとどう付き合ったらいいんだろう・・・。「おうちのなか」の困りごとは話してもいいのかな・・・。家の事に精一杯で自分の事が手につかない・・・。家族の事が気がかりで家を空けられない・・・。不安で落ち着かない毎日、誰かとつながることで乗り越えられることもあると思います。そんな時は是非、精神保健福祉士にご相談ください。

ヤングケアラー支援のページ http://youngcarer.sakura.ne.jp/                                                                ヤングケアラープロジェクト/ケアラー連盟 https://youngcarerpj.jimdofree.com/

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