保護司とは、出所後の人の立ち直りを助けるボランティアです。再犯を防ぐことは、私たちが平穏に暮らしてくためにとても重要です。一度犯罪を犯した人たちに、近所で暮らす人たちや職場がきつくあたって、おいつめてしまえば、再犯につながりやすくなります。再犯防止と聞くと、犯罪を犯した人をなぜケアーしないといけないのかと思うかもしれませんが、それは社会の治安を守るため、私たちの生活の安全のためです。再犯率が50%近いとなると、再犯防止は非常に効果的な社会の安全を守る手法と言えます。 「再犯者率」過去最悪49・1%、コロナ禍で出所者の雇用状況悪化か…犯罪白書 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

保護司は、刑務所や少年院から出てきた後の生活する場所がどうなっているのか調査したり、実家で生活できそうもなければ、身元引受人を探したり、就職先を探したりします。前科や前歴のある人と付き合うとなると、かなり専門性が必要にも思えますが、なぜか、だからなのかボランティアです。保護司の高齢化、成り手不足がいわれますが、当然と言えば当然のように思えます。ボランティアである限り、それを「仕事」にすることはできませんので、よほど色々な意味で裕福な方しかできないイメージを持ちます。
どうやって保護司になれるのか? ⇒保護司になるためには、保護司法に基づき、次の条件を備えていることが必要となります。 ・人格及び行動について、社会的信望を有すること ・職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること ・生活が安定していること ・健康で活動力を有していること 法務省:保護司ひとくちメモ (moj.go.jp)によると、「農林水産業・製造業・販売業・サービス業・土木業・建築業,公務員,宗教家,主婦など幅広い分野の方々が,保護司として活躍しています。仕事を退職した後も,保護司をライフワークで続ける方も大勢いる」とのことです。
保護司になるための手続は、各都道府県にある保護観察所の長が、候補者を保護司選考会に諮問して、その意見を聴いた後、法務大臣に推薦し、その者のうちから法務大臣が委嘱するという手続によって行われるそうです。
「更生保護に関するボランティアの実態調査」2021年1月 結果報告書_全体版 (soumu.go.jp) によると、「今後 10年で約半数の 2.3 万人が退任する見込みとなっている。その上、保護司の担い手確保も年々困難になっているとの指摘があるなど、その活動の継続が危惧される状況にある」と書かれています。報告書の後半には、保護司を確保するための取り組みが書かれています。年齢要件を柔軟にする、保護司の活動広報の強化等々。保護司であることを前面にだすように法務省から言われ、抵抗感があるとの意見も書かれていました。ということは、保護司であることを隠して活動しているということになります。とても気を遣いながら、無給で。
そして、出所者らを積極的に雇用する「協力雇用主」として登録されている企業数は昨年10月1日現在で2万4213社でしたが、実際に雇用していたのは1391社で、前年から165社減っていた(読売オンライン記事再掲)とのことです。この雇用主の数では、出所者の働く場が限られており、前科があることを隠して仕事をするしかない不安定な状況だと推測できます。
保護司も協力雇用主も人の善意だけに頼っていたら広がらないし、特殊性が却って強くなるように思えます。それに、根本的に再犯防止に対する社会の理解を得ることが先にこないと、保護司や協力雇用主だけでは進めないです。ボランティアから一つの専門的な職種として確立することはできないものでしょうか。それくらい社会の安全のために不可欠な働きだと思います。そして、前科前歴者やその家族、ひいては被害者の人生にとっても。
保護司の現況がわかります⇒数字で見る保護司の現況 (moj.go.jp)
出所者の社会復帰:【出所者の社会復帰】2人に1人が刑務所に戻る理由 | リディラバジャーナル (ridilover.jp)
保護司はボランティア!?保護司の仕事や向いている人を解説 – ひだかあさんの犯罪心理学 (hidaka-mother.com)