政府の孤独・孤立対策とは?

政府は「孤独・孤立対策推進法案」を国会に提出しています。法案の目的は、「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」「相互に支え合い、人と人との『つながり』が生まれる社会」を実現すること。

法案の内容は、
1.基本理念
孤独・孤立対策の基本理念は、
① 孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において誰にでも生じ得るもので、社会のあらゆる分野で孤独・孤立対策の推進を図る
② 孤独・孤立の状態にある人とその家族等(当事者等)の立場に立って、当事者等の状況に応じた支援が継続的に行う
③ 当事者等に対しては、その意向に沿って当事者等が社会及び他者との関わりを持つことにより孤独・孤立の状態から脱却して日常生活及び社会生活を過ごせることを目標として、必要な支援を行う
2.国等の責務等
孤独・孤立対策に関し、国・地方公共団体の責務、国民の理解・協力、関係者の連携・協力等を規定する
3.基本的施策
・ 孤独・孤立対策の重点計画の作成
・ 孤独・孤立対策に関する国民の理解の増進、多様な主体の自主的活動に資する啓発
・ 相談支援(当事者等からの相談に応じ、必要な助言等の支援)の推進
・ 関係者(国、地方公共団体、当事者等への支援を行う者等)の連携・協働の促進
・ 当事者等への支援を行う人材の確保・養成・資質向上
・ 地方公共団体及び当事者等への支援を行う者に対する支援
・ 孤独・孤立の状態にある者の実態等に関する調査研究の推進
4.推進体制
・ 内閣府に特別の機関として、孤独・孤立対策推進本部(重点計画の作成等)を置く
・ 地方公共団体は、関係機関等により構成され、必要な情報交換及び支援内容に関する協議を行う孤独・孤立対策地域協議会を置くよう努める
・ 協議会の事務に従事する者等に係る秘密保持義務及び罰則規定を設ける

2021年2月19日、内閣官房に「孤独・孤立対策室」が設置されました。報道によると「首相はコロナ禍で長引く外出自粛に伴い他人との接点が減り、社会から孤立する人が増えているとみて担当閣僚を設け」た説明しています。法案が成立すると、この対策室が推進本部に格上げされます。

対策室では、実態調査や地方版孤独・孤立対策官民連携PF取組団体の動きを集約したり、「孤独・孤立対策に関する有識者会議」を開催したり、「孤独・孤立に関する支援制度等のプッシュ型の情報発信※1」をしたり、支援先や相談先※2を紹介しています。

※1ブッシュ型情報発信とは、2月から「ソフトバンク」及び「ワイモバイル」の携帯電話を利用中で、料金の支払いが遅れた顧客に対して行う案内(SMS)の中で、孤独・孤立対策ウェブサイト「あなたはひとりじゃない」を紹介する企画です。

※2あなたのための支援があります
誰にも頼れず、ひとりで悩みごとをかかえていませんか。
いくつかのご質問に答えていただくことにより、約150の支援制度や窓口の中から、
あなたの状況に合った支援をチャットボットで探すことができます。
あなたのための支援をぜひご利用ください。
あなたのための相談場所があります

悩みをひとりで抱えているあなたへ。
あなたの悩みをお話しいただける相談窓口を紹介します。

「孤独・孤立」の対象がはっきりしません。たぶん、子ども、若者、女性の自殺者数の増加、いじめも不登校も増加、ひきこもりも深刻化・・・政府が動かざるを得ないほど、生きるのが難しくなっています。深刻化する前に幅広く相談支援につなげたいということなんでしょうか。自治体に設置する協議会がどこまで機能するか、地域の民間団体とどれだけ協同できるかにかかっています。が、既に色々な協議会ができているので、自治体は大変です。

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